千上舞桜です。
・2025年1月半ばより膝の怪我で入院中。
・病院名や医師名を伏せた上でリアルな表現を使用します。ご注意ください。
・表現者さんや身体を動かす職種の方への参考になれば幸いです。
2025年1月16日(木)、左膝を負傷し緊急搬送されました。
診断名は【左膝蓋骨脱臼 膝蓋骨骨軟骨損傷】です。(手術後の書類より)
この怪我により、冬季に出演を予定しておりましたイベントの出演を辞退し、治療に専念しております。
今後の活動につきましては主治医と相談の上ご報告させて頂きたく存じます。
ご理解の程よろしくお願い申し上げます。
怪我の経緯
救急搬送された日、2025年2月9日(日)に出演予定だったFresh!Party〜chocolate〜のリハーサルに参加しておりました。
相方のHANANOと共に選んだ衣装でイベント用のアーティスト写真を撮影し、主に私が担当していた前半部分から最後に残っていた作品冒頭の振り入れを行い振付が完成しました。
15:30頃
さて、試しに最後まで通して踊ってみようじゃないか。
と踊り始めた時……
パキッ!
と、音量MAXのBGMを通り越してスタジオ内に普通ではない骨の音が響き渡りました。
記憶が正しければ、膝のインアウトから一歩踏み出すという動きの最中です。
何が起こっているのか分からない。ただ、明らかに私の膝に何かが起こった……景色がスローモーションになるというドラマやアニメで観たことのある光景って本当に起こるんですね。
スローモーションというより、冷静になりながら膝以外に被害を広げないように座り込みました。そして、痛みを自覚したら呼吸が乱れ始めたのでゆっくり体を横にして「くの字」で倒れ込むような体勢になりました。
とにかく普通ではない状況ということは分かっていたので、それぞれの身内への連絡やメンテナンスでお世話になっている先生に連絡を入れて指示を仰ぎ、救急車を呼ぶことにしました。
結果として正しい判断でしたが、男手があればどうにかして階段を運べるのではないか?などと無謀なことを考えるのもこれまた人間のサバイバルな部分だなと。
教訓:呼べ。救急車を。
救急車到着&搬送
救急車を呼んだ理由がもうひとつ。
スタジオが地下にあり、人手を借りても脱出不可能な状況だったためです。
地上で救急車の音が聞こえた時、気が抜けて眠ってしまいそうでしたが我慢。自分の身体のことは自分で説明しなければ。
搬送予定先各所の整形外科の先生方に状況説明を行うため、膝に負担のかかる動きをしていたことや、そもそも膝の状態がよろしくないこと(次回述)を救急隊の方に伝えました。
そしてここで第一の難関
結果、くの字のまま乗れる車椅子のような担架で病院まで搬送されることになりました。
乗せていただく時にどうしても痛みを伴ってしまうことにビビりまくっていた私。相方からの喝で乗り越えました。(だが痛いもんは痛い……参考までに)
とりあえずこの痛みをどうにかしてほしい。
懇願していたため、手術が可能な大きい病院の名前をすぐに挙げることができず、まずは連絡のついたスタジオ近隣地域で処置をしていただける病院に搬送されました。
整復&一時帰宅!?
寝不足だったため一声掛けて眠っている間に病院に到着し、処置室へ。
この時既に17時を回っていたと思います。日勤の看護師さんが残って対応してくださっていたようでした。本当にありがとうございます。
相方や私の親族が待つ中、膝に痛み止めを打ち、CT撮影の前後で2回ほど整復を行いました。看護師さんの手を握りながら、左膝のお皿がズレているのを確かに見ました。
救急隊の方からは、状況によってはそのまま自宅付近の病院に救急車で再度搬送と説明を受けていたのですが、時間帯の都合で一時帰宅に。左膝はニーブレスで固定し動かせなくなりました。
↓イメージ↓
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ここで尿意が限界を迎えるちがみ。松葉杖の説明を受けていた所でしたが、実は経験者のためどうにか事なきを得ます。
その後帰宅準備に入りますが、炎症と疲れから微熱を出していて汗がダラダラ。患者さんのために暖房が強めになっていたため、フラフラになりながら病院を出ました。
外は寒いくらいでしたが、車に乗る直前の階段の前で立ち往生。膝が固定されていると松葉杖が操りにくいことに気が付きます。
その間に右足首が疲れてきてしまい、スタジオからずっと付き添ってくれていた相方にマッサージをお願いしながら気持ちを整え、隣のスロープから車に向かいました。
どうやって乗ったのか。おそらく足を支えてもらっていたのだと思います。曲がらないようにしながら座り、後退り……後部座席を占領しました。
人型のおもちゃが人間に気付かれる前に元の位置に戻った時のような、あの状態です。クマのぬいぐるみでもいいかもしれません。
母の運転でHANANOを送り届け、自宅に到着した時、第二の難関に差し掛かります。
おうちにはいるまでにですね。かいだんをのぼらないといけなかったのです。
前回松葉杖を使った時は膝下を固定されていたため、曲げることができたのです。そして、高校生という超パワフルな時期だったため難なく階段もクリアしていたのです。
結果、自宅前から帰宅まで1時間半程かかったようです。最後は男手で羽交締めにしてもらい、一段ずつ持ち上げてもらいました。
その後、玄関からリビングまでも羽交締めと腰を支えてもらい運ばれましたが、搬送時の「くの字」を再現していた足が解けてしまい激痛(自業自得)
バレエやジャズのターンアウトの足(見たまま言うからガニ股)が楽ということは分かっていたので、本来であればなるべく平行を保たなければならない状況の中、ガニ股作戦でリビングの手前まで到着。
そこからは松葉杖でソファに向かい、寝転んでターンエンド!
と思いたかった。
……第三の難関です。
たまたま。本当にたまたま。
母が防災用の簡易トイレを購入していたのです。父や高齢の祖父がそのうち使うことになるかもしれないと。
自身への誕生日プレゼントらしいのですが、ケーキとかじゃないんだとほとんどの方が思ったはず。
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……私が使うことになります。
なに?予知夢?母の第六感が冴え過ぎていて怖い。けどこれが家にあった。
ただ、一度寝てしまうとなかなか起きれないのが人間ですよね。気持ち的にも。
物理的にも。
背もたれのあるマットの形を変えながら起き上がり、腰や膝裏に入れていたクッションを少しずつ動かしどうにかソファの手すり部分に腰掛けます。この時、左足は母が支えて平行を保ってくれていました。
詰んだ。
……どうしようと時が止まったその時、母が閃きます。三角巾で私の左脚を吊ることにしたのです。
※母、指導を受けた上で応急手当の知識を身に付けています。
三角巾で吊りながら一度立ち(激痛)
椅子の上のクッションに乗せて簡易トイレに座る(激痛)
自宅ではこのような方法を取りました。発熱や疲労が無ければ意地でもお手洗いに向かったと思います。
というか、今思えば少し寄り道してでも介護用のオムツを購入して履くことをおすすめします。
力うどんを食べながら、出演予定だったレクレドールコレクションの主催Reinaちゃんに電話……
羽交締めを託した男手(緊急事態で召集した知人)、帰宅……
搬送先の病院から処方されたカロナールを飲み、一晩越すことになります。
翌朝の男手は父(仕事の都合で常時プチ単身赴任)がやって来ます。
祖父と母に羽交締めを任せなかったのは身長的に怖かったということが一番です。(10cm以上私が高い)
適材適所大事。
ということで、救急搬送編でした。
次回は入院&手術編をまとめてみようと思います。
O-DAN FREE PHOTO
Takashi Miyazaki 「夜の通りを走る白いパトカー」