千上舞桜です。
・2025年1月半ばより膝の怪我で入院し、3月1日に退院。
・病院名や医師名を伏せた上でリアルな表現を使用します。ご注意ください。
・表現者さんや身体を動かす職種の方への参考になれば幸いです。
こちらの記事の続きです。
入院中のリハビリのお話後編です。
抜管と着替えでリフレッシュ!
新しい病室で迎えた朝。
ついに管とオムツを卒業します。
どのタイミングか忘れてしまったのですが、看護師さんがやってきてお小水の管を抜き、オムツから普段着の下着への履き替えを手伝っていただきました。
実は前回最後に卒業を決意した時間帯は夜勤。主治医の先生は帰宅されており、指示待ちの状態になってしまい一晩延長になっていました。手術から1週間空いたのは月経が終わるタイミングを待っていたことと、前日の痛みを感じるまでは管を抜くことにちがみがビビっていたからです。
これによりお手洗いは自分で向かうことが必須になりますが、車椅子の操縦にも慣れなければならず、筋力低下も不安だったため了承しました。この段階ではまだ左足がニーブレースで固定されているため、看護師さんや助手さんに乗り降りや送り迎え他補助をお願いしていました。自分で拭くことが叶わない屈辱……ここまでの大怪我だと仕方ないね。😂
ちなみに病院着のズボンは左脚を通すことができないため、両脇をマジックテープで留めるタイプのものを履いていました。
スパルタリハビリ開始!
お引越し先の担当理学療法士の先生のもとでリハビリを再開します。
退院するための病棟のため、とにかく体を動かします。(動かせる範囲で)
さっそく車椅子の乗り降りで自力で体をスライドさせられるように練習が始まり、病室やリハビリ室でベッドに移動する度に高さ違いの段差で試練が訪れます。
前日までのメニューに加えて錘が増えたり、松葉杖で脇の神経を傷めないための腕力トレーニングが追加されました。体操のあん馬の取手のような器具を使い、腕だけで踏ん張るイメージです。金属が痛いのでタオルを巻いて掌の保護をしました。
また、パテラセッティングは左脚を中心にやるようになりました。一時的にニーブレースを外して行います。
拳ひとつ入れられるだけの曲がり(約15°)でも痛くて悲鳴を上げている状況なのに、地面に押し付ける動きでさらに痛い。😭
呼吸を忘れて意識が飛んでいた瞬間もあったので、運動中の呼吸の大切さを身を持って味わいました。
最後に、左脚がどこまで上がるかの確認があります。足首を立て、まっすぐ伸ばしたまま上げる動作。右脚は普通にできますが、左脚は手術の影響で筋力が落ちてできません。
前回の記事の段階で筋力低下防止として自主的に取り組んでいた「腰上げ」はリハビリの優先度が上がったため「脚上げ」として練習を進めていきます。
手術後2週間はニーブレースでの固定が必須で足を着くことができないため、もう1週間は上記のリハビリが続きます。
そして病室でも曲げの練習が始まり、CPMという機械を使用して1時間膝を曲げ伸ばしを繰り返していきます。15°→30°→35°→40°と、5°〜10°刻みで曲げられる範囲を増やしていきます。
曲げる感覚を味わい伝えたのが
手術をして固定をしているためそんなことはないはず。しかし、そう感じる。後にこれが人工靱帯の感触ということが判明して訂正しました。
毎日やっていく中で機械の音を聞きながら
初めの病室で向かいのベッドの方がやっていた時、振動が響いて痛かったアレか……
と入院当初感じていた謎の痛みの原因を解明します。そして曲げることへの痛みと恐怖に耐えながら日々角度を上げていきました。
リハビリ強化の弊害
運動量が増えて起こったこと。
痒い!脚の横が!!脚の裏が!!
痒い!!!
介助が必要なため毎日お風呂に入ることができず、体拭きで済ませる日もありました。その上、左脚は洗うことができません。
……めちゃくちゃ蒸れる。痒くてズボンのマジックテープを外して短い腕を忍び込ませる私。決して卑猥な目的ではありません。掻きたくて仕方ないのです。
整形外科だから痛み止め以外は貰えないのでは……?
と思いつつも看護師さんに相談したところ、軟膏をたっぷり処方していただき「ぬりぬりタイム」が誕生しました。その隙を見て気が済むまで掻きむしるちがみ。さすがに少し皮膚が変色した。
疲れ果てているのに痒みで目が覚めてしまうことがあったので、完全ではありませんが安眠できるようになりました。
荷重開始!
新しい病棟でのリハビリが始まって5日後にはニーブレースを着けた状態で左脚の脚上げができるようになり、さらに3日後。
ついに固定が外れます。
直前に松葉杖の通常の使い方を一度練習していたのですが、家族とのチャットを見返していたら前日からその日の午前中の出来事だったみたい。そういえば松葉杖経験者にしては下手くそで驚かれていた気がする。
高校生の時に右足の靭帯損傷で松葉杖を使用した時はリハビリがあったわけではなかったので、ここまで対策をして臨むとなると緊張して前ほど動けていなかったらしい。
当時は完治直前に隣の学校の文化祭に松葉杖で遊びに行っていたので、その時の勢いを呼び起こしながら頑張りました。
話を戻しまして、荷重が始まります。
松葉杖は2本使用し、片足を着けて歩く練習。しかし、この段階で左脚に掛けられる体重は全体の3分の1kg。
さんぶんのいちがみ。
体重計を片脚ずつご用意いただき、右脚に全体重を掛けてから左脚で3分の1kgに目盛りを合わせて感覚を覚えます。ふくらはぎがじわじわ痺れるような具合でした。あとひとメモリの合わせ方が無駄に上手かったらしい。
そして、体重計の目盛りを見ずに姿見で姿勢を確認しながらでも3分の1荷重ができるようになったら、ついに実践です。ほとんどは松葉杖に頼る歩みですが、左足を着きながら進みます。先生方曰く、ビビるくらいがちょうどいいとのこと。
久しぶりに歩くとそれだけで汗をたくさんかいてしまい、車椅子に戻る頃にはぐったりとしていました。そんな車椅子ともお別れの日がやってきます。
シーツ交換の朝、人の手を借りることができない状況でどうにか自分で乗り移らなければならず、そのままリハビリのお迎えを待つことになりました。目を輝かせてその報告をしたところリハビリ後の車椅子卒業が告げられ、宣言通り無事回収されていきました。😇
自立を進めるためにそうしてくれと言ったのは確か自分である。
本来であれば術後2週間の固定を経て1週ごとに3分の1荷重、2分の1荷重、3分の2荷重、そして全荷重という段階を踏むそうなのですが……
どうやらカルテには2分の1荷重の指示がないらしい。
20代の回復力に賭けたようでした。翌週には3分の2荷重が始まり、同じように体重計を使って感覚を覚えます。松葉杖は片松葉になりました。
ここで人生で初めて膝周りの筋肉を使う感覚を知りました。ふくらはぎから膝まで痺れが上ってきたような状態です。日頃のパテラセッティングの効果が発揮されました。
単純計算で退院が1週間早まることになりますが、階段を登らないと帰宅が難しいため、曲げの練習と階段の練習を並行して少し長めに入院を続けていきます。自宅でも色々なシミュレーションをして早期退院の準備をしてくれていたそうなのですが、直感でそれはいかんと判断しました。
高校生の時とはわけが違う。段階を踏まないとできることもできないから待ってくれ。
ということを伝えました。長時間座っていることも辛い状況だったためこれで正解だったと思います。
そして全荷重。父から授かったエクスカリバー松葉杖(「ちがみ入院日記2」参照)ともお別れです。自分の脚で立ち、歩く練習をします。ぎこちなさすぎる。
荷重が始まった当初からリハビリ室の周回、病院の敷地内の散歩がありましたが、加えて起床後に病棟を往復する朝のお散歩が恒例化しました。回数や歩き方でその日の体調を判別できるいい材料でした。そのため病室から出てこないと心配されていたようです。
足を着いた状態での「ひねり」は絶対に起こさないように一歩ずつ方向転換をすること、調子に乗って踊らないことを言い渡されました。言われた直後にひねりかけてお叱りを受けるちがみ。🤣
曲げの練習は続く……
自力で歩けるようになり、バレンタインを過ぎる頃からは毎日お風呂に入れるようになりました。(片松葉の時期も重なっていたかも)
しかし、執筆中の現在(2025年5月2日)でも完全に膝が曲がるわけではありません。
入院中はリハビリ以外に、食事をベッドに腰掛けて摂り、お風呂の着替えをなるべく立った状態で行うなど膝を曲げていく環境を作りました。寝る時には「くの字」の癖も復活させて意識していました。(寝ろ)
バランスボールに脚を乗せて引き寄せるように90°を目指したり、体育座りのように脚を引き寄せたり、うつ伏せで曲げてみたり……たくさん絶叫しました。
リハビリで痛みとの戦いの中
先生「退院したら食べたいもの挙げてみy」私「ラァァァァーメェェェェェン!!」
— 千上 舞桜 (@m_c_ao) February 19, 2025
こんなことや……
リハビリの目標
手術直後:絶対また踊るんだ!
少し経ってから:ラーメン食べに行くために頑張る!
最近:今晩推しが出るから頑張る!
早く踊りたいは口癖のように言っていますが現実的なプロセスが増えました。
— 千上 舞桜 (@m_c_ao) February 14, 2025
こんなこともありましたね。
祝祭日を挟むこともあり理学療法士の先生方がお休みの日の前日には、自主トレメニューを授けに時間外に病室まで来てくださることもあり、本当に親身な先生方に恵まれました。
リハビリに関するツイートは「m_c_ao リハビリ」で検索してみてください。
退院!
そして、3月1日(土)……
ついに退院しました!44日の入院生活終了!!
前日に貴重品だけはまとめていたのですが、当日はお散歩後に朝から棚の整理を……
サボってもう一度お散歩後して……
少し早めに両親が来てしまったようで、看護師さんと作戦を立ててお会計を済ませてもらっている間に急いで荷造りを終えることにしました。通常運転すぎる。
絶対こんなに必要なかっただろ!というTシャツ達や飲み物、基本ベッドでくつろいでいたポケモン達、そしてエクスカリバーと共に病院を後にします。
推しが出るから頑張ると言いながらも結局ラーメンが食べたくて仕方ない様子のちがみ。果たしてどうなったのでしょうか。
次回「ちがみ退院日記」をお待ちください!
ということで、リハビリ後編でした。一旦完結!
現在もリハビリが続いているため、退院後の様子も残していこうと思います。カテゴリをどうするか悩む……。
閲覧ありがとうございました。
O-DAN FREE PHOTO
緑の壁の脇に停められた黒い自転車